フレスコ画は古くからある壁画の技法で、13世紀から14世紀にかけて特にイタリアで盛んに使われました。画家は漆喰の表面に直接絵を描き、顔料と漆喰が乾くと同時に硬く結合します。
フレスコの種類
フレスコには大きく分けて3つの種類があります:
- フレスコ・ブオーノ (fresco buono): 漆喰が乾かないうちに描く方法。
- フレスコ・セッコ (fresco secco): 乾いた漆喰に描く方法。
- メッゾ・フレスコ (mezzo fresco): 上記2つの方法を併用する方法。
フレスコ・ブオーノ (frèsco buono)
frèsco buonoは漆喰壁が生乾きの間に顔料を水だけで溶いて描く画法です。
ここではfrèsco buonoを少し紹介してゆきます。
1.砂をフルイ目にかける
1.目の大きさで分けられた砂
これで砂の準備が出来ました。
2.砂と石灰と水をかき混ぜる。
3.トゥルジラル(1層目)を塗る。
トゥルジラル(1層目)と最終層の3層目(イントナコ intònaco)塗りの違いは砂目の粗さと石灰の量。
4.3層目(イントナコ intònaco)塗りの途中
5.Cartòneにスポルヴェロ (spòlvero)穴をあけ、転写の準備をする。
spòlvero
6.Cartòneを画面に当てて、顔料をその穴に刷り込む。
7.シノピア(sinòpia)漆喰に描かれた下絵
8.ジョルナータ(giornata)1日の仕事量の意味で、1日描ける範囲のみイントナコ intònacoを塗る。大作の場合は1日の範囲のみイントナコ intònacoを塗り、その範囲だけ描く。翌日は次の日の範囲のみイントナコ intònacoを塗り、その範囲のみ描く。これを繰り返して描き進んでゆきます。
フレスコ・セッコ(frèsco sècco)
フレスコ・セッコは、乾いた漆喰壁に顔料を膠や卵などを媒材として彩色する技法です。テンペラ画はこの技法から発展しました。