混合技法
ゴシック期と早期ルネッサンスの画匠たちは白色石膏地に赤味・黄味・緑味を帯びた土性絵具塗り(Imprimitura)で調子をつけた。このことによりその地の吸収性は減少し、さらに下層描きまたは※白色浮出のための中間調子として用いられた。
生乾きの濡れている樹脂—油絵の具へのテンペラ画(混合技法)
この技術は、自然主義的な仕事よりも様式主義的な仕事、具象的な描写と仕上げに適している。木板などの固地の上に天然乳濁液(エマルジョン)によるものが最善である。卵とカゼインで生乾きの濡れている油絵具に描き入れるものであり、ゴムや糊などではない。まず素早く乾くテンペラ白で光浮き出しと形(フォルム)を与えるのが一番よく、そして樹脂油絵具で透層(ラズール)したり、半被覆に絵具をおいてゆく。
絵具を通常の場合よりも流体にして箆を用いて混合し、貂曳き筆で濡れている油絵具の中に塗る。テンペラによる水性筆致(タッチ)は非常に鋭く、いかなる油絵の具よりも生乾きの濡れた樹脂油絵具に確実における。当然その樹脂油絵具はそれほど厚くなく、脂じみていてはならない。
マックス・デルナー『絵画技術体系』より
下の画像は白色浮き出しの理解を進めるために黒の紙に白の色鉛筆で白のハッチングによるものの捉え方の練習サンプルです。上のものはハッチングの重なりによる白ハッチングの段階表。
下のものはその段階にもとづいた白色浮き出しによる描写。
実際にはこの上から更に油絵の具のグレースと再び白のハッチングで描き起こす作業を繰り返します。
テンペラメディウムB
○ 全卵:1個分
(卵の量に対して)
○ ダンマルニス:1〜1.5
○防腐剤 :全容量の1%未満
グレージングメディウムB
⚪︎ダンマルニス 2容量
⚪︎スタンドオイル
またはサンシックドリンシード 1容量
⚪︎テレピン 1〜2容量