フランドル派

 油絵具は、絵画技法史上では、15世紀のフランドルから発祥したといわれています。それまでのヨーロッパでは卵黄テンペラ絵具が最も使われていましたが、やがてテンペラの上に油絵具を重ねた併用構造となりました。

イラスト:「美術の歴史」さ・え・ら書房より

フランドル派 工程見本                               制作筒井祥之

このフランドル技法の特徴として、油と樹脂と溶剤を混ぜ合わせたワニスによって、より緩やかな乾きからぼかしが可能となり、明暗の滑らかな移行が容易にできること、塗った直後と乾燥後での色彩の変化が少ないこと、透明な層を濁ることなしに重ねられるなどがあげられます。

Saint.maichel.Mount

ヴェネツィア派

初期キャンバス

フランドルから流出した油絵はイタリアのヴェネツィアでは、木板は湿気を吸って板が反る問題や、大画面には重くなり不向きであった。

ヴェネツィアは当時海上交易が盛んで多くの帆船が行き交う場所でした。

木板の代わりにその帆船の帆布を使ったキャンバスが登場したのです。上の写真は木枠に張られた初期のキャンバスです。

白色浮き出しには、顔料のシルバーホワイトと卵黄を混ぜ、油絵具のするバーホワイトを加えてよく練ります。描くときは絵具の伸びをよくするために水を加えて、ホワイトを重ねてゆきます。

暗い部分には油絵具をパレットに出して一気に塗ってゆきます。

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白い部分が、より浮き出してきました。

各工程の説明です。

ヴェネツィア派