ヴェネツィア派

初期キャンバス

フランドルから流出した油絵はイタリアのヴェネツィアでは、木板は湿気を吸って板が反る問題や、大画面には重くなり不向きであった。

ヴェネツィアは当時海上交易が盛んで多くの帆船が行き交う場所でした。

木板の代わりにその帆船の帆布を使ったキャンバスが登場したのです。上の写真は木枠に張られた初期のキャンバスです。

白色浮き出しには、顔料のシルバーホワイトと卵黄を混ぜ、油絵具のするバーホワイトを加えてよく練ります。描くときは絵具の伸びをよくするために水を加えて、ホワイトを重ねてゆきます。

暗い部分には油絵具をパレットに出して一気に塗ってゆきます。

tizian

白い部分が、より浮き出してきました。

左側の部分は、制作工程を示しています。木枠→麻布→石膏地塗り→インプリマツゥーラー→有色地塗り→白色浮き出し→油彩着彩

あとは仕上げ塗りの色合わせがもう少し必要です。

ヴェネツィア派

ヴェネツィア派

ヴェネツィア派

フレスコ画 Fresco Painting

古くからある壁画を描く技法で、13世紀から14世紀にかけて、特にイタリアで再び盛んに用いられるようになりました。顔料と漆喰が乾きながら硬く結合するように、画家は漆喰の表面に直に絵を描きます。frèsco buonoは漆喰が乾かないうちに描き終えなければならないので、画家は手早く仕事を進めなければなりませんでした。

フレスコ(fresco)とは「新鮮な」という意味のイタリア語で英語のfreshにあたります。漆喰壁が生乾き(新鮮な)の間に描きあげることから名付けられたと思われます。

このフレスコ画(affrèsco)には大きく分けてfrèsco buono(真性のフレスコの意)とfrèsco sècco(乾いたフレスコの意、乾式)、そしてその2つを併用した mèzzo frèsco(半フレスコの意)があります。

frèsco buono

frèsco buonoは漆喰壁が生乾きの間に顔料を水だけで溶いて描く画法です。

ここではfrèsco buonoを少し紹介してゆきます。

砂をフルイ目にかける
目の大きさで分けられた砂

これで砂の準備が出来ました。

画面にCartòneを当てて、顔料をその穴に刷り込む。

frèsco sècco

次にfrèsco sèccoは乾いた漆喰壁に顔料を膠や卵などをメディウム(媒材)として彩色する画法です。テンペラ画はこの漆喰壁から木板に描くことにより展開していったと言えるでしょう。

これについては今後取り組みます。