木工技術
絵画や額縁において、最も大事になるのが支持体です。その支持体を作成するには、木工作業は欠かすことの出来ないものです。しかし、木工技術の前に木材の挙動性を知っておく必要があります。木材は湿度の変化によって膨張と収縮を続ける独特の生きた素材です。
この湿度というのは、あらゆる木製品のデザインや構成において木工制作者がうまく対処しなければならない要素です。木材の中には他の種類よりも加工しやすいものがあり、そして木材の種類にもよりますが、同じ木材でも1つ1つの木材が、木目のねじれ方や曲がり方においてそれぞれ独特な特徴があるのです。
木工には旋盤作業、木彫、家具製作、指物細工といった多種多用な作業がありますが、それぞれ計測、墨付け、木作り、組み立て、仕上げなどの基礎を身につけてゆきます。
木作りとは、素材を正確に寸法通りに加工する過程です。
どのような単純な木工作業でも、さまざまな継ぎ手の加工や組み立てが必要です。昔から継ぎ手の製作は、木工作業者の技術を測る尺度と考えられてきました。上手に継ぎ手を作るためには、美しくそして強度を損なわないように慎重に1つの木材を他の木材に接合する最適な方法がわかるだけの経験を積んでいなければなりません。
木材の仕上げは木製品の外観には大変重要なので、伝統的には個別の技能と考えられてきました。木材本来の色や美しさを引き出すのは、ニスを塗ったり磨いたりすることなのですが、最終的に素晴らしい成果を得るためには表面を極めて丁寧に調整していくことです。これは少々退屈ですが大変重要な仕事です。
電動工具や機械を使った木工作業の方が、簡単で速く正確で大量に加工することができ便利ですが、その特徴と特性とよく理解した上で、緊張感を保った上で扱わなければ、操作を誤ると双刃の剣で危険な道具にもなってしまいます。一方手工具による作業は、木材に無理な負担をかけず木目を壊さず切ったり形を整えたり、細やかな複雑な形を作り上げる上では、最も大切な方法です。少しずつ経験を重ねて技能を伸ばしてゆけば、全ての熟練工が言っているように、作業に必要な機械を調整している間に手工具を使って仕事を終えてしまうことも多いのです。
機械化された工具を置いている作業場は数多くありますが、、自分は何をするのがいちばん楽しいかを経験してから自分に最も適した機械を揃えるのでも決して遅くはありません。手工具と電動工具を上手く使い分けながら制作に役立てると良いでしょう。
実際の経験は、それ以上に有能な教師はいません。
Molding (刳り型)
moldingとは額縁の元となる木の棹を指します。元々は柱や建築物の段差に嵌め込む装飾的なものが、次第に独立して額縁に使われるようになったのです。
Moldingの組み方
その組み方によって次第に額縁が出来上がってくるのです。
様々なJoint (接合)
木工技術は、、、
この留形相欠きお接ぎの継ぎ手もヨーロッパの額縁では見かける継ぎ手です。
前から見ると普通の45度にカットした額縁です。
木工技術はちょっと苦手!という方もご安心下さい。既に組んだ木地のキットもLAPISにはあります。そのような方には木工作業は省いてスタートすることが出来ます。
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タトウ制作
もともとの由来は「畳紙(たとうがみ)」からきているとのことです。
着物を畳んでタンスにしまうための紙からこの名前が来ています。
ここではタトウとは額縁を保管するための箱のことを指します。
これは多分日本で絵画作品の保管と運搬のために開発されたものと思われます。
絵を保護するのに額縁が必要です。
例えば壁から絵を外して、押し入れにしまったり運んだりする時には、どうしても額縁が傷んでしまいます。
愛情を注ぎ込んだ額縁自体を守るためにも必要なものです。
素材は段ボールやボール紙、ベニヤ板などがあります。
ここではボール紙を使って箱本体を作り、それに布クロスや見返り紙を貼り豪華な雰囲気にして 差し込み式のタトウを作ります。
そして、ウコンの袋で作品を包んで、タトウの中に作品を入れれば全て完成です。